研究概要
当講座の研究“素材“は、メラノサイト(色素細胞)です。メラノサイトを多面的に解析することにより、
多くの病態が研究対象となっています。具体的には、下記のようなプロジェクトがあり、現在進行しております。
ここ数年間、毎年、英文発表論文は10編以上あり、着実に成果を発信できるようになってきております。
研究の分野は無理に広げることなく、狭い領域であっても国際的に高く評価される高いレベルの成果発信を心掛けています。
この方針は今後も変わらないです。また、当教室の研究の特徴として、海外からの共同研究のオファーがあり、現在もいくつかの国際プロジェクトが進行しています。
具体的な成果としては、英国マンチェスター大学との研究で、以前よりテーマとして取り組んでいる遺伝性対側性色素異常症の関連研究で、トップジャーナルの1つである Nature Genetics にその成果が掲載されました。
(Rice GI, et al. Mutations in ADAR1 cause Aicardi-Goutières syndrome associated with a type I interferon signature.Nat Genet 44:1243-1248, 2012)
遺伝性色素異常症の遺伝子検査
当科における遺伝性色素異常症の患者様に対する今後の遺伝子検査について
これまで山形大学で使用していた次世代シークエンサーの利用が中止となり、今後は従来通りの遺伝子検査を継続することが困難となりました。
今後の対応については、以下の通りです:
1. 眼皮膚白皮症の患者様に対する対応
遺伝子検査をご希望される場合は、まずかずさDNA研究所での検査をご検討ください(ヘルマンスキー・パドラック症候群遺伝子検査)。2024年10月時点では保険適用外であり、検査費用は税込¥49,500となります。
2. 検査で診断が確定しなかった場合
当科(担当:岡村 賢、齊藤 亨)までご連絡いただければ、必要に応じて追加の遺伝子解析(エクソーム解析など)を実施いたします*。
3. その他の遺伝性色素異常症の患者様に関する対応
症例ごとに個別対応いたしますが、臨床的に典型例の場合、遺伝子検査を実施しない場合がございます。
4. 臨床診断に関するご相談
臨床診断に関しては、随時ご相談を承ります。
*追加の解析は当科の研究費を使用して行います。従って、患者様に費用のご負担は発生しません。研究レベルでの検査となるため、新たな知見が得られた場合には、当方で学術論文や学会発表で積極的に発表しますので、ご紹介いただいた先生には共著者、あるいは、共同演者になっていただきたいと存じます。患者様には、プライバシーを十分に配慮した上で、科学的目的に限り、臨床情報(写真を含む)を公開させていただく可能性があることをご理解いただきたく存じます。
以上、ご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
山形大学医学部皮膚科学講座